コンタクトに関わる仕事

車の運転免許試験場などでは、視野を広くして注意力を働かせるための指導などとして上級者と初級者の眼の動きの違いを見せてくれます。はたして眼の動きがあったとしても、広い範囲に注意を向けているのか、狭く一点に注意を向けているのかはわかりません。
たとえば、人間がいるかいないかだけを判断する場合、その人の顔までをはっきり見る必要はないため、眼球を動かして認知反応するよりも、眼球の動きがなく広い注意力をもって見たほうが早い反応ができます(実験では0.1〜0.2秒早いという結果が出ています)。

綿密に判断しなければならないときは目を向ける必要がありますが、効率のよい使い方はそれぞれの場面、状況によって違います。
また、あちらこちらに視線を移し注意を向けているように見えても、心や意識がどこを向いているかはわかりません。 車の運転のアイマークレコーダー分析で、眼は前方の車に向いていたとしても、「新発売の車だな、カッコいい。次はあれに乗り換えたいな。でも、予算が少し足りない。自分の今の車の下取りはいくらかな」など、眼に映ったことから、意識がどんどん離れていっているかもしれません。 当初は安全に運転するための情報収集に向けていた内の眼が、違った方向に向いている可能性もあるのです。

外から観察できる眼の動き(外の眼)は分析できますが、そこから発生する心の向き(内の眼)までは分析できません。 医科学の発達により、メスで頭の中を聞かなくても脳の活動が観察できるようになりました。
心と脳、意識と脳の関係が科学的に解明されたニュースを眼にしたり耳にしたりします。 しかし、まだほんの入口に立った程度であって、ほとんどがブラックボックスなのが現状です。
見ることを科学的に分析すると、心理学、人間科学、行動科学、認知心理学と、さまざまな学問とつながります。 近年、眼に映ったものを脳はどのように情報処理するのか、心はどう動くのか、脳のどの部分が活動するのかといったことが研究されています。
科学的にわかっていることからみると、古典的なホムンクルス説(自分の中にもう一人の自分がいる)かもしれませんが、私は、「外の眼」と「内の眼」という考え方を用いて、眼と心の使い方を指導しています。 言い換えれば、人は二つの映像を見ていることにもなります。

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